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実践的糖尿病教育

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目標設定のポイント

目標設定のポイント(1)

よく医療従事者は糖尿病患者に指導するときに最初のステップに画一的に理想的な食事、運動を患者に求めることが多いようです。

医者:「はい、じゃあなたは身長160cmだから1400Kcalね。」
患者:「はい・・・・。」

確かに160cmの理想体重は54kgだから、確かに25Kcal/kgの係数をかけると、1400Kcalになるのですが、患者さんの「・・・」の意味は、何でしょうか?十分に承服してないのです。

または、1400Kcalの意味が分からなくて、栄養士の前で呆然とするのです。

こういう場合にその患者さんと医療従事者の感覚のずれを感知出来なければ、患者さんに指導について来てもらうのは難しいと思います。

大事な事は目標を設定するときに患者さんと一緒に目標を設定して、目標について患者さんに納得してもらう必要があります。

そこでは、やはり目標を立てるにはコツがあるのです。

目標設定のポイント(2)

コツは以下の5つです。

  • 患者さんに目標をたてていただくこと
  • 十中八九できる目標であること
  • 具体的な行動目標であること
  • 評価できる目標であること
  • 1つ,2つの目標にしぼること

目標設定のポイント(3)

  • 患者さんに目標をたてていただきましょう。

これに関しては前述しました。

出来そうにない目標はやりたくないのが人情です。
そのため出来そうな目標を掲げてもらいましょう。

場合によっては医療関係者が目を丸くするような、高いレベル、あるいは低いレベルを掲げることがあります。
でもそれを「そんなに低い目標は駄目ですよー」などと評価してはいけません。
やる気を失う可能性があります。

そしてもう一つ、自分で「する」、ないしは「出来る」といった宣言は患者さんに「責任」が向かうので、患者さんの意地が出てくることもあります。

いずれにしろ目標は患者さんに掲げていただきましょう。

目標設定のポイント(4)

  • 十中八九できる目標であること

これも前のと同じですね。

皆さんどうかすると、すぐに出来そうもない目標を掲げたがるんですよね。

見えを張りたいから? そうなのかもしれません。

自分に対する自信が高すぎる? そうかもしれません。

大体、この辺りでは私は高すぎる目標を掲げる患者さんの 手綱を引く方にまわることが多いです。

目標設定のポイント(5)

  • 具体的な行動目標であること(1)

これは少し注意がいります。

悪い例を挙げます。
「次の外来に来るまでになるべく油物は避けます」

これが駄目な理由はわかります?これがわかる方でも、
「次の外来に来るまでに3kg痩せます」
これが駄目な理由わかりますか?

なぜでしょうか?
次のページを見る前にちょっと考えてみましょう。

目標設定のポイント(6)

  • 具体的な行動目標であること(2)

先ず、「次の外来に来るまでになるべく油物は避けます」
ですが、「油物」ってなんでしょうか?

「揚げ物」?じゃあ「ソテー」はどっち?ドーナツは?
「油物」をはっきり何かに限定してないためにどれを避けるのかはっきりしなくなりますね?
患者さんのその日の都合で対象がぼやけてしまいます。

次の「次の外来に来るまでに3kg痩せます」はどこがわるいのでしょうか?

皆さんは「体重を減らす」のは具体的な行動だと思います?
答えは「No」です。それは「痩せる」という具体的行動はないからです。

痩せるのは「ご飯をお代わりしない」や「毎日30分歩く」、「30回噛む」という行動の結果として、痩せるのであって、はっきり計画を立てないでも、どの行動をとっても痩せるのです。

逆にどの行動をとらなかったからといっても患者さんは他の行動をするから、といい訳できるわけで、その結果目標とする行動がぼやけます。

目標設定のポイント(7)

  • 評価できる目標であること(1)

これも大事です。
よくあるケースは「なるべく・・・・する」
というものです。

会社で部下が「来月のノルマは出来るだけたくさん売ってくること」
といったら皆さんOKしますか?しないでしょう?

必ず「・・・台以上売ります」といわないと目標とはいいませんよね?
「なるべく・・・・する」はその目標が達成出来ても、達成できなくても、その目標を管理する人(会社なら上司、糖尿病の場合は医療関係者)はおろか、本人にも良く分かりません。

目標の中に「なるべく・・・・する」の言葉が入ったら、目標をたてないも同じです。

目標設定のポイント(8)

  • 評価できる目標であること(2)

目標の達成度が本人にも良く分かるということは意外に大事なことです。
例えば患者さんはHbA1cを測る頻度は最高でも月に1回です。
医療関係者に会って目標の達成度について相談するのも、多くて、月2回位でしょう。

例えば「飲酒は1回1合まで、それも週に2回まで」とはっきり決めておけばそれを守れたか守れなかったか毎週自分で評価できます。

今週は守れなかったから来週は必ず守ろうと、フィードバックできるわけです。

でももし毎日の目標の達成度が受診するまでわからなければ、患者さんは受診するまでそのやり方を変えないでしょう。
そういう意味でも早目に患者さん自身が対応できるように目標の達成度を患者さんがわかる目標が良いのです。

目標設定のポイント(9)

  • 1つ、2つの目標にしぼること

医療関係者にとって、患者さんが次の外来までの目標を4つも5つも立てることは嬉しいかもしれませんが、人間の行動パターンなどそうそう変えられるものではありません。

例えその患者さんが優秀で幾つもの目標を達成できそうでも1、2の目標ができてから更なる目標をたてても遅くはありません。

逆にある程度しっかり生活習慣が変わってから次の目標に取り組まないと、次の目標に気を払っているうちにまだあやふやな習慣なら元に戻ってしまいます。

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