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実践的糖尿病教育

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悲嘆過程(Kubler-Ross類似モデル)

悲嘆過程(Kubler-Ross類似モデル)(1)

先のProchaska-石井の理論のところでも述べましたが、教育を受ける側の心理状態はとても重要です。

Kubler-Rossは、癌患者が自身が癌であることを知った時に観察されるその患者の心の軌跡を「悲嘆過程」と呼び、事実を受け入れる前に「不安」「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」が存在し,これらの過程をゆきつもどりつして自分が癌であることを「受容」に至ると考えました。

ここでは、このモデルを糖尿病患者さんが「あなたは糖尿病です」といわれて受容するまでの過程にも同じように適用し、患者さんの心理状態の変遷を理解しようとするものです。

大きなストレスを「受容」していくときに、これら「不安」「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」などの状態を経ていくことは、心理学的防御機能の過程の一つと見ることもでき、自然な心理的反応であると考えられます。

このため、医療者はそれを否定したりするのではなく、患者さんが過程途中で長く留まらないよう、早く通り過ぎてしまうよう、患者のステージに注意を払いながら接する必要があります。

悲嘆過程(Kubler-Ross類似モデル)(2)

この一連の「受容する」という言葉は、患者さんが糖尿病の治療が必要であると、駆け引きなしに全面的に認める状態です。

患者さんの心理状態が「怒り」や「否認」などの拒絶状態にある時は、医療者がどんなに頑張って勧めても、聞く耳を持たないし、また反発を露にするでしょう。

また、受容して目的意識を持って自己管理をしているものとばかり思っていた患者が「民間療法をやってみたい」「糖尿病であることを人に知られないようしている」と言い出して受容に至っていないことを気づくこともあります。

また大きな反応は見極めやすいですが、小さな反応は気付き難いです。

例えば「糖尿病なんてたかが血糖が高いだけの病気だ」と言ったような否認の態度は糖尿病の診断時に良く見られ、受容度の低さを発見しやすい言葉です。

しかし「一口くらい多めに食べても大丈夫だ」と言ったような考え方も、それが繰り返されれば糖尿病が悪化すると云うことを知っている患者にとっては、実は小さな否認の意志表示であり、これがあらゆるセルフケアの領域に拡がっていると手に負えなくなってきます。

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